実験的なロモらしく、とはいえ絶妙なバランスで構成されたフィルム。
「LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400」は、イエローやグリーンの発色が特徴で、カラーシフトが楽しめるフィルムだが、通常のカラー現像(C-41)ができる仕様なので、現像もしやすい。
そもそも「Metropolis」とは、都会や大都市を意味する言葉。その名が付いているように、街中での撮影によく合うな〜と思う。もちろん、大自然の中でも撮っても、おもしろいと思うけど。
今回は「LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400」を作例と共に解説していく。
他のフィルムの作例とレビューはこちら。
LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400の特徴
LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400は、Lomographyが販売している、ISO100-400の35mmフィルム(36枚撮り)。
この「LomoChromeシリーズ」は、強烈なカラーシフトが楽しめるフィルムが多いのが特徴。なかでもMetropolisは、イエローやグリーンの発色が強く、コントラストがハッキリしているので、シックな印象を抱く。
ISOが100から400の中で調整できるので、晴れの屋外は100、室内では400など、天候や環境次第で調整できるのも便利。写りも変わってくる。
シックな写りになるので、FUJIFILMやKodakの落ち着いた色味に少し飽きていたり、変化が欲しくなったりした人にぴったりだと思う。味変というか、フィルムを撮っていく中で、いいスパイスになるフィルムだ。
LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400の作例
使用カメラは「Canon Autoboy MINI T」。露出オーバーで白飛びが多いが、その分、暗い場所で撮ったものとの色合いの違いがわかりやすくなった。
建物の中や光が入りにくい道など、暗めな場所は黄色みが増して、シックな印象が強くなる。街中のスナップが楽しい。
明るい屋外、自然の中ではこのような写りに。グリーンがよく出てくる。
LomoChrome Metropolisは、ポートレートとの相性も良い。都会的な場所、シックな場面など、この色合いを生かした場所を探して撮っていくと、よいおもしろい写真になるのではないかと思う。
LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400のレビュー
LomoChrome Metropolis 35mm ISO100–400の感想をまとめると、こんな感じ。
- イエローやグリーンの発色が特徴のシックなフィルム
- コントラストが強く、鮮やかな印象
- 確かに都会という環境に合う、が自然物を撮ってもおもしろい
- FUJIFILMやKodakの色味に慣れていると、とても新鮮に感じる
光と影という視点で見ると、明るい場所ではグリーンが強く、暗い場所ではイエローが強く出るフィルムだなぁと思う。鮮やかな色合いは共通だが、露出をどう調整するかで変化していくのが、おもしろい。
おそらく、LomoChrome Metropolisのパッケージや様々な作例を見ていくと、イエローのコントラストがパキッと効いた写真が出てくることが多いのは、都会の街中や暗めの道、室内などで撮っているからではないかと思う。
たとえば、明るい屋外の自然の中で撮ると、爽やかとまではいかないが、落ち着いた印象になる。
だからこそ、光と影の表現こそが、LomoChrome Metropolisの良さであり、撮ってみて「光がこう出るのか」と楽しめる。まさに、たくさん実験できるフィルムだと思う。
FUJIFILMやKodakの色合いも好きだが、もう少しスパイスが欲しいと思ってしまうとき、または常用フィルムに飽きてしまったとき、LomoChrome Metropolisを手にしてみると、フィルムへの情熱がふつふつと湧き上がってくるんじゃないかと思った。