まさか、今どき新しいフィルムが発売されるなんて。
独自路線で人気の「Lomography」から、新規で「LomoChrome Color ’92 35mm ISO400」が発売された。
2023年の発売当初は、入荷待ちになることもあったけど、今は定期的に入荷されていて、簡単に手に入るようになっている。
さらに、価格は千円台と、高騰し続けるフィルムの中で、めちゃくちゃ頑張ってくれている。35mmでは最安値クラスだ。
LomoChrome Color ’92は、新発売ということで、まだまだ作例が少ないフィルムなので、今回は作例たっぷりで紹介していく。
現状、オンラインでは「Lomographyの公式サイト」のみ、または、東京にある実店舗「Lomography+」などで販売されています。
他のフィルムの作例とレビューはこちら。
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400の特徴
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400は、オーストリアのメーカーが販売している、ISO400の35mmフィルム(36枚撮り)。
独自路線のLomographyだが、その中でも「LomoChromeシリーズ」のフィルムは、強烈なカラーシフトを楽しめる。
そして、LomoChrome Color ’92は、名前の「’92」が表すように、90年代のノスタルジックな色合いで、粒状感が多く、ざらついた質感となっている。
ISO400なので、日中からちょっとした暗所まで幅広く対応できる。
質感以外にも、色合いは「レトロな発色」と言われるように、全体的には青みがかっており、赤は鮮やかに出るのが特徴。
見た目に忠実というよりは、フィルムの特性による変化を楽しみ、90年代のようなレトロさを写真から見出す、というような感じだ。
通常のカラー現像(C41)ができるので、現像場所を選ばないのは嬉しいポイント。
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400の作例
使用カメラは「Yashica Electro 35 GX」または、「Canon Autoboy MINI T」。Autoboyの方は、カメラ自体がそもそもレトロな写りをする。GXはわりと素直な写り。
明るいところでは、やはり青みがかったような印象を受ける。レトロ感も。ただ、国内と海外では印象が変わるような。ここまではスペインで撮影。このあとは日本で撮影した写真も含む。
木漏れ日を撮ってみると、フィルムの特性がよくわかる。
段々と光が当たりにくい場所へ。
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400のレビュー
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400の感想をまとめると、こんな感じ。
- 90年代をモチーフにした、ノスタルジックなフィルム
- 粒状感が多くて、ざらついた質感
- レトロな発色で、全体的に青みがかり、赤は鮮やかに出やすい
- 値段は35mmフィルムの中でも最安値クラス
すごーく正直にお伝えすると、仕上がりを見たとき「え〜?」とショックを受けた。ただ、何度も見るうちに、「フィルムの特性を理解してなかった」と反省して、少しずつ愛着が湧くようになった。
色味は青みが特徴ではあるが、個人的にはマゼンタ(赤紫)っぽい色味も強いと感じる。彩度は低め。そして、特に明るい場所と暗い場所では、印象が異なる。
明るい場所では、青みが乗ってきて、懐かしいようなレトロさが強調されて、暗い場所では、ざらつきとこってりした色味が出てくる。
自身の反省点でもあるが、「予想できない仕上がりを楽しむ」というのが、まずはLomoChrome Color ’92で押さえたい部分で、「ここを撮るとこうやって変化するのか」という驚きは、きっとあなたの探究心をくすぐる。
一方で、仕上がりを予想して楽しみたい場合、場所を考えて撮ることが重要になる。撮るシチュエーションや被写体、時間帯など、色々と考えてみて、現像で答え合わせをするのは楽しい。
おそらく、自分の初回の「え〜?」というのは、「見たままをある程度再現するだろう」という思い込みがあったからだ。
LomoChrome Color ’92は、見たままと大きく異なる仕上がりになるわけではないが、上記のように、「変化を楽しむか」と「場所を選ぶか」という心構えは必要だろうと思う。
とはいえ、やはりフィルムで撮ると、こうした想定外は付き物で、そういった高揚感を思い出させてくれるフィルムだ。
現状、オンラインでは「Lomographyの公式サイト」のみ、または、東京にある実店舗「Lomography+」などで販売されています。