スペインのバルセロナは、首都マドリードに次ぐ大都市。
日本とスペインの生活費を比べると、家賃は高騰しているが、食材は安めだったりで、単純な比較をしにくい。だが、円安の影響により、現状は日本と大差ない生活費になっていると感じる。
実際にバルセロナ(バレンシアも経験あり)で暮らしてみると、生活費の感覚が掴めてきた。今回はバルセロナの生活費と物価について解説する。
バルセロナ(スペイン)の1ヶ月の生活費:733€
バルセロナでの1ヶ月間の生活費を表にしてまとめると、以下になる。レートは、1€158円(2024年1月当時)で計算。
家賃(+WiFi水道光熱費) | 500€(約79,000円) |
---|---|
食費 | 180€(約28,440円) |
交通費 | 13€(約2,054円) |
通信費(SIM) | 10€(約1,580円) |
その他(娯楽費・外食費等) | 30€(約4,740円) |
合計 | 733€(約115,814円) |
各項目については、この後に詳しく書いていくが、「733€」という合計金額は、全体的にかなり節約している方だと思う。
このほかに、場合によっては語学学校の費用や保険料が入ったり、人によってはサブスクや趣味の出費などが追加で掛かってくるだろう。なので、この金額だけで1ヶ月生暮らしたわけではないので注意。
家賃(+WiFi水道光熱費):500€
近年はスペイン、特にバルセロナのような大都市では、家の需要と供給が追いついておらず、家賃が高騰し続けている。
スペインは「ピソ」と呼ばれる、個室型のシェアハウスが主流だ。一人暮らしも可能だが、家賃の高騰化により、微妙そうな部屋でも、とっても高い。
この500€という金額はもちろんピソで、中心地までメトロで20分ぐらいの地区、3名(1名はほぼ不在)でのシェア、家具家電・暖房・エレベーターあり(エアコンなし)、家賃450€で、WiFi水道光熱費が別途おおよそ50€という価格だった。まあ平均的だと思う。
バルセロナのピソの家賃は、おおよそ350~500€ぐらいが平均値。いくら条件を下げても、それ以下の金額で募集されることは少ないと感じる。
たとえば、スペインの地方都市のピソは、場所にもよるが、250~400€あたりの価格帯が多い。なので、バルセロナは高めではある。
そして、地元の人、移民、留学生など、どのような人でも部屋探しの競争率は高く、なかなか見つからない。
部屋のグレードは何でもいいから安く、と考えていても、そもそも部屋が見つからない可能性が高い。なので、正直、どの価格帯の家に住めるかは運次第なところがある。
ただ、ピソまたは一人暮らしでも、家具付きの物件が多いので、住んでからの出費は少ない。そこはいいなと思う。もちろん、初期費用などは掛かるけど。
食費:180€
バルセロナ(スペイン)の食材は、日本と比べると安めである場合がほとんど。なので、しっかりと自炊をすれば、食費は抑えられる。
食材は安いが、レストランやカフェの食べ物は非常に高いので、外食ばかりしていると、あっという間に生活費がかさむので注意。
なので、ほとんど外食をせず、カフェでコーヒーを飲むぐらいで、ほぼ毎日自炊をした結果が、180€だった。
基本的に大手スーパーのメルカドーナで買い物をした。街中にあるパキスタン系の人がやっているミニスーパー(コンビニ)は割高なので、あまり使わなかった。
家賃は運による、その他は工夫すれば安く済むので、食費をどのように使うかが、バルセロナでの生活費のポイントだ。
スペインに来たばかりのときは、外食してみたいだろうし、生活に慣れてきたり、仕事を探している段階では、節約をしたくなると思う。
交通費:13€
ゾーン制を採用しているバルセロナの交通システムは優秀で、メトロやバス、郊外電車など、共通のチケットを利用できて、価格も安い。
バルセロナ市内はほぼ「ゾーン1」でカバーできる。なので、在住者と観光客問わず、基本的に、ゾーン1の10回券「T-casual」を買っておけばいい。1回券は割高。
現在の「T-casual(ゾーン1)」の価格は、12.15€(2024年1月時点)。なので繰り上げして13€と表記した。なので、10回券を1回購入したということだ。
正直、「T-casual」1回分で1ヶ月暮らすのは、かなり節約している。中心地に住むならば別だが、2回分ぐらいが妥当かもしれない。
1ヶ月間乗り放題の「T-usual」というチケットも存在する。現在のバルセロナは物価高騰により数年間、チケットの割引措置が取られており、「T-usual(ゾーン1)」が、42.7€のところ、21.35€になっている。
なので、現状は「T-casual」を2回購入するぐらい乗るならば、「T-usual」を買った方がお得だ。
通信費:10€
スペインの携帯料金(SIM代)は、かなりコスパが良い。基本的に、SIMを購入して、一定期間ごとにプランの金額をチャージしていく、プリペイド式が多い。
会社はVodafoneやOrange、Movistarなどが主流。格安SIMなどもあるが、どこでも安いので、あまり必要性を感じないかな。
たとえば、Vodafoneの「Prepago S」というプランを使っているが、10€で50GB(本来は25GBだけどキャンペーンで増量中)、28日ごとに支払いで、多すぎるほどの容量だ。しかもこれで最も安いプラン。
VodafoneのSIMは、バルセロナ空港のショップやカタルーニャ広場の近くの公式店で買えるので、バルセロナに到着してすぐ使い始められる。
プランの変更も可能だが、今のところ必要性を感じない。10€でこのGBなら問題ないかな。ただ、頻繁にプラン内容が変わるので、毎月確認するようにしている。
その他(娯楽費・外食費など):30€
友人と飲みに行ったり、外食をしたり、観光で入場料を支払ったりなど、その他の費用として、娯楽費なども掛かる。
先ほど、食費の欄で書いたように、バルセロナの外食は高い。ランチセットは10~15€あたり、夕食はセットなどはないので、20~30€ぐらいは掛かるという印象。
あとは、バルセロナの観光地の入場料というのは、非常に高めに設定されている。たとえば、サグラダ・ファミリア(塔への入場券付き)は36€もする。
節約のために娯楽を控えてストレスを溜めるのは、やはり良くないと思う。ただ、気を付けないと、バルセロナではコストが掛かる。
観光や展示は入場無料の日を狙って行ったり、外食はホームパーティーに切り替えるなど、楽しみながら節約してみるのが良さそう。今月は抑えて翌月は楽しむとか、メリハリを考えて暮らすのが、暮らしのコツかもしれない。
バルセロナ(スペイン)の生活費を節約する方法
バルセロナでの生活費をなるべく抑えるならば、「食費」と「娯楽費」がポイントだ。
基本的に食事は、自炊をしていく。バルセロナの食材は安く、惣菜はあまり売っていない。なので、必然的に料理を覚えていくような環境が揃っている。
トルティージャやソパ・デ・アホなど、簡単に美味しく作れる料理も多い。ビールやティント・デ・ベラーノ(赤ワインのソーダ割り)というお酒も安い。
さらにパスタは激安なので、飽きやすいけど、パスタをメインにするとより節約できる。スペインに来て、パスタのレパートリーが増えた笑
外食は月に1~2回ぐらいに控えて、カフェでは定番のカフェ・コン・レチェを選ぶと、大体1~2€ぐらいでカフェタイムを楽しめる。
バルセロナはコンパクトな都市なので、歩き回ってみるのも運動と節約になって楽しいと思うし、おすすめしたい。街中でジョギングしている人も多い。
また、美術館やアート展もバルセロナでは多いが、無料開放日が設定されていたりする。無料で作れる図書カードを持っていくと、割引になる美術館もある。
特にワーホリや留学で来ていると、シビアにお金を計算して暮らすこともあると思う。だからこそ、工夫して、自分に合った楽しい暮らしが見つかるといいなと思う。
バルセロナ(スペイン)の生活費と物価は高騰している
現在の日本は円安なので、円を€換算すると、スペインのどの都市に行ったとしても、以前と比べて生活費や物価は上がっている。
ただ、スペイン国内でも物価の高騰は問題になっていて、交通機関が割引を実施したり、決して日本人だけが高く感じているわけではない。
冒頭で書いたように、合計額で考えると、日本の生活費とそこまで変わらない。€で収入を得ている人は、むしろ安く感じるかもしれない。
食材が安くて、料理も美味しいというのは、やはりスペインの魅力だなぁと思う。そして、バルセロナは便利だし、遊びことも、ゆったりと過ごすことも、色々な時間の使い方ができる都市だ。
この記事で、バルセロナで暮らすイメージが伝わったとしたら、とても嬉しいなぁと思う。