「フォトグラファー」と名乗ると、仕事としてなのか、趣味(アーティスト)としてなのか、聞かれることがよくあります。
確かに曖昧な肩書きです。趣味で取り組んでいてライターやデザイナーと名乗る人は少なそうですから。でも、趣味でもたとえ食っていけなくても、自分の軸の中にそれらの肩書きがあるならば、どう名乗るか決めるのは自分自身だと思います。
そんなフォトグラファーの私ですが、最近はオンライン英会話を始めたこともあり、仕事上含めて初対面の人に自己紹介をする機会が増えました。
「フォトグラファーをしている」「写真を撮るのが好き」と話すと、「どうして写真を始めようと思ったの?」「写真のどういう部分が楽しい?」と聞いてくださる人もいます。
スランプ期を挟みつつ、飽き性ながら写真歴7年ほどになった私は、今回改めて「なぜ写真を撮るんだろう」と原点を探っていこうと思います。同じフォトグラファーや写真に興味がある人が、少しでも何か得られれば嬉しいです。
写真を撮っていて良いと感じる部分
「写真を撮ること」は”現在”の姿を切り取る行為ですが、撮った後に写真を誰かが観ることを想定すると、”未来”に向けて現在の姿を写していることになります。そして、写真を観ると、そこにはいつだって”過去”の姿が写っています。
つまりは写真は現在・過去・未来の時間軸を移動する行為と言えます。まあ撮影中はこんなことは考えてませんが、改めて考えてみると面白い行為ですよね。時間軸の振れ幅によって感情を差し込む隙間あるから、人が感情移入しやすいのかもしれません。
だから私は写真を撮っておいて良かったと感じる瞬間が多いのです。改めて私が写真を始めて良かったと感じる部分を挙げてみます。
記録と記憶に残る
まず、デジタルはデータとして、フィルムは現像されて、記録に残ります。記録に残るから、いつでも写真を観て、思い出や当時の気持ちを思い返すことができます。
さらに写真を撮ることで当時の記憶を色濃く残すことができると思ってます。私が忘れっぽい性格なのですが、写真を撮ることで写真を観ずとも記憶に残っている場合が多いのです。
記憶に残った上に、実際に記録に残っているのですから、二重で思い出を保持できます。大切な瞬間は自分の目で見るだけではなく、同時に写真を撮って記録と記憶に刻みたいと常に思っています。
他の趣味に派生する
写真は他の趣味との相性が良いです。
先ほどの記録と記憶の話のように、趣味を仲間と共有したり、写真で観て改めて良さを感じたり、重要な役目を担えます。
たとえば、私はダイビングが趣味ですが、水中写真を撮っていなかったら、ここまでハマっていないだろうと思います。水中で写真を撮りたいからダイビングをするといったように、その趣味を通して写真を撮りたくなる瞬間があるからです。
写真を始めてから、色んな趣味に手を出せるようになって、より暮らしが楽しくなりました。
人生の暇つぶしになる
写真は創造的な行為です。フォトコン入賞やSNSでバズりたいなど各自で目標はあるかもしれませんが、終わりがないものです。つまりはしようと思えば、ずっとできてしまいます。
自分次第で工夫できて、割く時間をコントロールできるので、ちょうど良い暇つぶしにもなります。カメラを構えることができれば、何歳になってもできますし、色々な場所へ行く目的になり得ます。
やることがないと思っている人は、写真を始めてみると創作意欲が湧いてくるかもしれません。
フォトグラファーとしての今後
フォトグラファーをしていると、「仕事じゃなかったら写真を撮らないでしょ?」と聞かれることがありますが、私はたとえお金にならなくても、写真を撮り続けると思います。
私の軸が写真であり、趣味でもあるからです。きっともがき続けるでしょう。
最近嬉しかったことは、自分の写真を観て「亡くなった父と昔よく海に行っていたことを思い出しました」と言ってもらえたときです。
綺麗や上手いと言っていただけるのはもちろん嬉しいですけど、綺麗は人の基準によるし、写真に正解はないのだから上手い下手もないと思ってしまいます。だけど、それら以外の鑑賞者が「何を感じたのか」「思い出した気持ち」などの感想をもらえるとすごく嬉しくなります。
私の写真を通して、鑑賞者に何か些細な気付きを与えられるような写真を撮りたい。そして、撮影ではなく作品制作が収入の柱となれば嬉しいのかなと思います。
だから私は仕事としてクライアントワークのカメラマンではなく、写真を撮る人であるフォトグラファーと名乗って活動を続けていきます。
悩みながら写真を撮り続けていくんだろう
フォトグラファーとして、写真の良さを改めて考えてみました。今後も悩んだり、試行錯誤したりしながら、撮り続けていくと思うと、楽しみです。
あなたが写真を撮る理由はなんでしょうか。今回の記事をきっかけに写真について少しでも考えるきっかけとなれば嬉しいです。
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