「審美眼」とは、美しいものを見定める能力のこと。
写真を撮り始めると「何だか思うように写真が撮れない」という状況はありますよね。それはつまり、自分が納得できる「被写体の美しさの基準=審美眼」が定まっていないからです。
被写体ごとにある程度は正しいとされる撮影テクニックはありますが、写真には他者から決められた正解や不正解などないと私は思います。
最終的には「自分が心地よさを感じる写真を撮ること」こそが、人に伝わる写真への上達のコツです。
とはいえ「審美眼を磨け!」と言われても抽象的すぎてしまいますが、方法としては「多種多様な写真を観る機会を増やすこと」がおすすめです。
出来るだけ多くの様々な種類の写真を観て、時には真似をしていくことで、自分の撮りたい写真像を明確化=審美眼を磨いていくことに繋がります。
写真の上達のために「写真を観る」方法
「審美眼を磨く」という行為は「センスを養う」と同じ意味です。
私が写真の仕事をしていると「写真のセンスがあって羨ましい」と言われることがあります。
しかし、生まれ持ったセンスがないと考えているからこそ、センスを養うつもりで写真を観て勉強をして、自分なりの撮りたい写真を明確にしてきました。
思い通りに写真が撮れなくても、「自分はセンスがないから」と思わなくて大丈夫です。
多種多様な写真を観て、刺激を受けて、たまに真似して、新たなアイデアのタネにしていきましょう。
すぐに実践できる「写真を観る」ツール
では、具体的に写真を観るにはどのような方法があるのでしょうか。すぐに写真に触れられる実践しやすい方法をご紹介します。
写真集
写真集は手元に置いて、自分の手で写真に触れられる点が最大のメリット。悩んだとき、インスピレーションを受けたいときに便利です。
電子書籍に対応している写真集ならば、デバイスを持ち歩けばいつでも確認できます。一方で、紙の本は目にする機会の減ったプリントされた質感の写真を目にできるのです。
私が初めて購入した写真集は、西山勲さんの「Studio Journal knock」という世界各地のアーティストを取材して写したものです。
今までのどんなフォトグラファーの写真よりも空気感が伝わる写真で、自分の中の「審美眼の基準」が明確になるきっかけとなりました。
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写真集の効果は「枯れた「写欲」には写真集が効く。流れていかない写真を眺める」の記事でも紹介しています。

写真展
写真展は、自ら写真展の場所に行って写真を観る能動的な行為であるため、得たものが記憶に残りやすいです。
在廊しているフォトグラファーと実際に話をして、写真への考え方やテクニックを聞ける場合もあります。
有名なフォトグラファーの展示は都心が多いですが、実は都会から田舎まで日本中の至るところで、時期を問わずに写真展が行われています。
小さなギャラリーであったり、顔なじみのカフェであったり、探せば見つかります。
「Pinterest」は、Web上の画像やPinterestタイムラインにある画像を自分のボード(ホーム)にピン留めする(集める)ことができる無料のWebサービスです。
SNSのようですが、画像をブックマークする意味合いが強く、デザイナーの方はデザインの参考としてPinterestを使う場合も多いとのこと。
参考にしたい、気に入った写真をピン留めしておき、後から見返したり、撮影中の参考にしたりして使えます。撮影のイメージをビジュアルで伝える役割にも向いています。
写真をカテゴリーごとにフォルダわけすれば、写真の要素を分解して深く知るための練習にも。
私もアカウントを持っていて、写真を観る訓練のために毎日カテゴリーごとにピン留めする習慣を付けています。
Instagram / Twitter
写真を観るといったら、InstagramやTwitterなどのSNSが真っ先に思い付いた方もいるかもしれませんね。
Instagramは写真がメインのSNSで、Twitterでも最近はフォトグラファーがこぞって写真を投稿するフォームとして使っています。無限に写真を観る訓練ができます。
注意点は、1枚に掛ける時間を少なくしないことです。ついタイムラインをスクロールしてしまいそうになりますが、観ているようで観ていない状態になっています。
SNSを流し読みする時間を、じっくり写真を観て審美眼を磨き写真の上達に当てる時間にしていくことがおすすめです。
写真の上達には写真を観て審美眼を磨くこと
お気に入りのフォトグラファーができて写真鑑賞も楽しくなったり、写真展を通して人と繋がれたり、思わぬ良い副産物も生まれやすいですよ。
今回紹介した本
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