沖縄移住はずっと憧れでした。その憧れをようやく実行に移してみた結果、約1.5年で沖縄を去ることになりました。
失敗談とは言ってますが、沖縄(本島)で暮らしたことに後悔は全くなく、たくさんの人にお世話になったし、楽しい思い出もできました。
ただ、実際に移住してみると、沖縄の移住者やメディアが語るような、「キラキラした南国のイメージ」に違和感を覚えた部分も多かったんです。
実際の暮らしはもっと複雑です。今は沖縄に対して、好きとも嫌いとも言えない感情が絡み合っている。だけどそれは決して誰かを責めたいわけじゃない。
だからこそ、沖縄暮らしのキラキラしたイメージではない現実を、移住者として書き残しておきたくなったんです。現実を知ると対策もできます。
移住は偶然が重なるもので、憧れや期待感も大事だと思います。あくまで1人の移住者目線の記事ですが、沖縄移住を検討している人の役に立てたら嬉しいです。
沖縄移住に対するイメージの答え合わせ
沖縄は理想と現実のギャップが大きい場所です。よく聞く沖縄のイメージとそれに対して実際どう感じたのか書いていきます。
冬でも暖かい?→なんだかんだ寒い
気温だけ見ると、沖縄の冬は暖かいように思えます。
気象庁の発表したデータでは、那覇の日平均気温の月平均値は、2021年1月で16.8℃でした。最も寒いとされる1月でもこの気温です。(参照:気象庁)
しかし、沖縄の冬は曇天や雨が多くて風も強いため、体感温度はグッと下がるんですよね。気温よりも寒いと感じます。
さらに、”慣れ“という問題もあります。旅行で来ると冬でも少し暖かいと感じますが、沖縄でずっと暮らしていると、体が暑さに慣れるので、冬は普通に寒く感じます。
年によりますが、12〜4月ぐらいが(ざっくり)沖縄の冬です。2〜3月は真冬ですが、それ以外は、稀に近場なら半袖で出歩ける気温に1日だけなったります。
県外と比べると冬は短くて、コートを羽織るほどの寒さではありません。でも、これには2つのデメリットがあります。
1つ目は衣替えのタイミングが難しいこと。日によって半袖だったり、ジャケットを着たりする日が交互に来たりするので、面倒だし、体調を崩しやすいです。
2つ目は季節の変化を楽しみにくいこと。真夏、梅雨、真夏、冬みたいな季節パターンなので、春と秋らしさはあまりないです。
沖縄では基本的に紅葉や桜はメジャーではありません。季節の変化って、県外ではあまり気にしないかもですが、ないと結構寂しいものだと思いました。
人が優しい→場合による
沖縄を含めた地方への移住でよく聞く「人が優しい」という話は、なんか違和感を覚えるんですよね。
どこへ移住しようと、接する人やコミュニティによって、人の性質はいくらでも変わります。「沖縄の人は優しい(逆に冷たい)傾向にある」と一概には言えないと個人的には思います。
僕が住んでいた時は、移住者も地元の人も優しくしてくれたし、色々気にかけてくれたと思います。一方で嫌だなという人たちと出会ったこともあります。
ただ、沖縄の人間関係は狭く、大体誰かの知り合いか親戚だったりします。名前を出すと一気に親しみを持ってもらえたりするところは面白いと思いました。
生活費(物価)が安い?→むしろ高くなりがち
沖縄では県内企業の給料は安めで、なのに家賃や物価は地方にしては高いので、生活費は上がりやすくなります。
首都圏から県内企業に転職した人に話を聞くと、収入が下がったケースは多いです。地方なのでしょうがないのですが、沖縄は特に収入関連で苦労する場所だと感じます。
生活費の高さの理由としては、家賃、車の維持費(交通費)、送料の問題などです。
まず、本島の中心である那覇の家賃は、基本的に安くないです。参考として、那覇の新都心エリアは1Rで6万、那覇近郊のシェアハウスは5.2万(共益費込み)掛かりました。
那覇から離れると家賃は当然下がりますが、そうなると今度は生活に車が必要になります。車の購入費や維持費は、生活費にズシンときますよね。
最後に細かいところですが、沖縄でネットショッピングを使うと、多くの場合に送料が跳ね上がります。離島扱いなので、数千円掛かったりします。そもそも発送不可だったり。地味に痛いです。
海の近くの暮らし?→塩害&アクセスが不便
沖縄の青い海の近くで暮らしたい。その夢は結局実現することをやめました。
那覇の中心部や那覇周辺のエリアでは、沖縄らしい綺麗な海は見られないんですよね。あるにはありますが、ほんの一部です。
綺麗な海は基本的に違うエリアにあります。つまり、沖縄本島で海の近くで暮らすなら、車が必要なエリアに住むことになります。
そして、ずっと海の近くで暮らしてきた人が口を揃えて言う「塩害」の問題。塩害で車がすぐに錆びたり、台風の被害が出やすかったりします。憧れだけではなく、海の近くに住むには覚悟が必要です。
うちなーぐち(方言)で聞き取れない?→そんなに使わない
「はいさい」「めんそーれ」「なんくるないさー」とか、一般の沖縄の人は言いません。メディアや観光客用のイメージだと感じます。
年配の方は、濃いめのうちなーぐちを話していたりしますが、特に若い年代の人たちは、全然何を言っているのかわからない、うちなーぐちはどんどん使わなくなっています。
ただ、方言は全然あります。関西弁のように標準語と異なるアクセントで話したり、馴染みのない単語を使ったりはします。
よく使われる方言は「だからよー」で、「そうだよね」みたいな相槌です。あとは「とても◯◯」を「しに◯◯」とか、こういうのはめっちゃ使ってますね。
沖縄移住のデメリット(大変なこと)
沖縄移住をしてみて、特に大変だったことを移住のデメリットとして挙げていきます。
交通の不便さ
沖縄本島における「交通の不便さ」は声を大にして伝えたいです。以下のように、絶妙にあらゆる交通手段が噛み合っていません。
- 車、バス、タクシーによる慢性的な渋滞
- 唯一の路線「ゆいレール(モノレール)」の物足りなさ
- バスでICカードの相互利用(Suicaなど)ができない
- 那覇空港の使い勝手の悪さ
- 徒歩や自転車は暑すぎてキツい
まず、沖縄は完全に車社会です。地方でありがちな18で免許を取り、家族で1台ではなく1人1台という文化です。
そこに観光客のレンタカー、バス、タクシーが通り、移動に便利な主要道路が決まっている関係で、平日の真昼間(もしくはド深夜)以外は、あらゆる道で渋滞が起きます。
沖縄のバスは遅れることで有名です。運転手がルーズ、とかではなく、渋滞のせいで遅れるので、「バスは遅れる」というイメージが着き、みんな車に切り替えて、さらに渋滞は増えていくというサイクル。
バスは交通系ICカード(Suica)などの相互利用にも対応しておらず、OKICAというローカルICカードのみ対応です。クレカとの連携やアプリ経由のチャージは不可で、バス車内やモノレールの駅で現金をチャージする必要があって不便ですね。
那覇空港から隣の市の浦添までモノレールが通っていますが、名所は首里城ぐらいで、北部や南部には行きません。
頻繁に県外に出る人はモノレールの駅近くに住むと便利です。ただ、駅の近くになるとほとんど海はないので、沖縄感は薄れます。
そして、現金支払いのみのタクシーがほんと多いです。電子マネーやクレジットカードすら使えないタクシーばかりなので、キャッシュレス生活の人は不便かもしれません。
那覇空港も使い勝手が悪いと思ってます。(参考:那覇空港の就航都市一覧)
就航都市数は少なくないのですが、1日1本であったり、時間帯が微妙だったりします。沖縄は県外に出るためには、ほぼ飛行機の移動になるので、空港の使い勝手は確認したいところです。
あとは、「県外へ行くために飛行機に乗るという行為」に対して、心理的なハードルが高かったです。
LCCのセールなどで値段は安かったりしますが、待つ時間や空港までのアクセスが大変でしたね。改めて、新幹線や電車って素晴らしいと思いました。
人間関係における「内地」という壁
沖縄の人(うちなーんちゅ)は県外出身者のことを「内地の人」「ないちゃー」と呼んだりします。北海道でも内地という言葉は使われるみたいですね。
この呼び方に基本的に悪意はなく、県外から来たとて不当な扱いを受けた経験は、ほとんどありません。
ただ、沖縄にルーツがある人とない人では、無意識に刷り込まれた高い壁があると感じる部分が多かったです。それは他県における地元意識みたいなものより、もっと強い”違い”を意識されているように個人的に感じました。
多くの場合、初対面で「沖縄出身or県外出身」の確認が入るのは、モヤッとしました。どこまで仲良くなっても、「内地の人」というレッテルを貼られているように感じてしまう。
島という飽きやすい環境
沖縄本島に住んでみると、「沖縄って意外と大きいんだな」と思うようになりました。那覇から北部まで縦断すると、下道で3~4時間ぐらいします。
その一方で、「やっぱり離島なんだな」と感じました。県外に出るには基本飛行機なので、面倒で出なくなったり、観光客が行くような綺麗な海や絶景ポイントに行ったり。
地方は似たようなものですが、買い物や芸術文化、イベントなど、普段の生活で遊んだりする場所は正直少なくて、物足りなさを感じました。
趣味を見つけたり、友達を作ったりするのは、沖縄では特に大事だと思います。
Amazonプライムのお急ぎ便が対象外
これは盲点だったのですが、Amazonプライムのお急ぎ便が沖縄全土で対象外です。注文した商品は翌日ではなく、数日後に届きます。
県外でお急ぎ便の利用に慣れていると、使いたいモノがすぐに届かないことに慣れるまでに時間が掛かりました。計画的な買い物スキルが必要です。
生活費の欄にも書きましたが、ネットショッピングでは注文から届くまでに時間が掛かりやすく、送料もめちゃくちゃ高いケースが多いです。やっぱり島なんですね。
沖縄移住のメリット(凄いところ)
沖縄移住をして現実を知り、それでもやはり凄かったという部分も正直に書いていきます。
青い海と自然を楽しめる
「曇りが多い」「塩害がひどい」「那覇では見れない」など言いましたが、晴れていて最高のコンディションで見る、沖縄の海は何度見ても感動してしまいます。
那覇から行きやすい海は、北谷のアメリカンビレッジより手前にある「アラハビーチ」です。バス停からも近くて、夕焼けが綺麗に見えます(写真は別の場所)。
沖縄本島には大きな公園や低山ながら山もあるため、自然の緑を楽しむことだってできます。自然の豊かさは特に恵まれていますね。
花粉症の影響が少ない
花粉症の方は必見。沖縄ではスギやヒノキ花粉の影響がほとんどないんです。
僕は幼少期から重度の花粉症(スギのみ)ですが、沖縄では全く発症しませんでした。県外にいた時は毎年発症していたので、めちゃくちゃ驚きました。
ただ、マツやイネ花粉などの花粉症の症状がある人は影響があるようです。あくまでも、スギとヒノキの花粉症は出にくいということですね。
謎のローカルフリマであらゆる物が手に入る
沖縄にはユニークなフリマサイト「沖縄宝島」があります。サイトを開くとインターネット初期みたいなデザインで現役なのか心配になります。
しかし、これがめちゃくちゃ地元民に使われています。よく見ると数時間前に出品されていたり。ベビー用品から車まで何でも売買されている場所です(健全なサイト)。
知り合いはここで原付を買っていました。沖縄ではメルカリぐらい信頼されているフリマサイトなんです。しかも手数料無料。
手渡し売買というローカルな手段ではありますが、皆さん近所のコンビニなどを受け渡し場所にしているようです。
ビーチパーティーという激アツな文化
沖縄にはビーチパーティ(略して”ビーパ”)というユニークな文化があります。これはすごく楽しい文化でした。
パーティーと言ってますが、派手に騒ぐものではなく、ビーチで楽しくご飯を食べるだけの集まりという感じです。ピクニックに近いような。
基本的にはBBQスタイルで、海で泳ぐ人もいますが、飲み食いだけで終わることも多いです。少人数の場合もある。だから、気軽に参加できるんです。
青い海の近くでのんびりとご飯を食べる。移住後は色んなビーパに参加してました。落ち着いた雰囲気が多いので、知り合いも増えたし、またいつかビーパしたいです。
沖縄移住を失敗させないためのお試し移住
沖縄移住には大変なところが多いのですが、やはりそれは理想と現実のギャップの大きさだと思います。
だからこそ、沖縄への期待を膨らませすぎないことが大事です。メディアが発信する「憧れの南国ライフ」や「のんびりした島時間」などは、様々な不便さの上で成り立っているものです。
なので、本格的な移住の前に「お試し移住(試住)」をすることで、理想と現実のギャップは埋めやすくなります。
数週間から数ヶ月ほどの期間だと、旅行とは違ったリアルな沖縄暮らしが体験できると思います。まずは徐々に沖縄との関わりを増やしていきましょう。
今は様々なお試し移住や多拠点生活サービスが増えています。たとえば、僕も愛用している「HafH(ハフ)」というサービスは、全国のホテルに毎月定額でお得に宿泊できます。
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沖縄移住には失敗したけど経験できて良かった
改めて振り返ってみると、これだけ現実的な面に目を向けていたのは、それだけ長期的な沖縄暮らしを真剣に考えていたのだと思います。色々あったけど、良き経験でした。
移住はフィーリングや情熱が大事だったりします。だからこそ、キラキラしたイメージだけではなく、リアルな部分を考えた上で移住した方が、暮らしと深く向き合えるのだと僕は信じています。全て本音で書いたので、この記事が沖縄移住を考えている方にとって、何かの役に立てれば嬉しいです。
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